コロナ禍で大量の失業者が発生する「大失業時代」の到来が危惧されるようになっている。特集『大失業時代の倒産危険度ランキング』(全29回)の#22では、新たに265万人の失業者発生を予想した著名エコノミストの分析を精査する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
3万人の解雇・雇い止めはまだ序章
コロナ禍が招く大失業時代の恐怖
新たに失業者が265万人、失業率は戦後最悪の6%台――。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、そんな衝撃的なシナリオが今後、現実に起こり得ると警鐘を鳴らす。
総務省が6月末に発表した労働力調査によれば、完全失業者は198万人と前年同月に比べて33万人増え、増加幅は2008年9月に起きたリーマンショックの影響が出てきた10年1月以来の大きさだった。
だが、木内氏のシナリオでは、失業者の増加は足元の規模にとどまらない。新型コロナウイルスの感染拡大によって、新たに265万人が職を失う「大失業時代」の到来を危惧している。
厚生労働省の調査によると、コロナに関する解雇や雇い止め(見込みを含む)が7月3日時点で3万2000人超に上ることが明らかになっている。だが、いま表面化している危機は、まだ序章にすぎない。
木内氏が見通す恐怖シナリオの根拠を詳しく見ていこう。