新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、これまで以上に健康管理に対する意識が高まっています。また、オンライン診療が注目される中、「かかりつけ医」を持つことの重要性も再認識されています。そこで、「どんな症状なら病院に行くべきか」「なぜ、かかりつけ医が必要なのか」など、改めて私たちが知っておきたい医療機関との付き合い方について、話題の新刊「医者と病院をうまく使い倒す34の心得 人生100年時代に自分を守る上手な治療の受け方(KADOKAWA)」の著者で、ブログやツイッターなどを通して科学的根拠(エビデンス)に基づく医療情報を発信し続ける、医師の山本健人さんに聞きました。
体の不調、診療科に迷ったら
近隣クリニックの受診をお勧めする理由
高熱がある、めまいがする、手足がしびれるなど、さまざまな症状が表れたときに「医師に診てもらうべきかどうか」と悩む方は多いのではないでしょうか。どのような場合に医療機関に足を運ぶべきか――。実は医師にとって、これは最も答えにくい質問です。なぜなら、症状の感じ方は患者さんによって個人差が大きく、受診のタイミングを一律に説明するのが極めて難しいためです。
ただ、一つの目安として提案できる基準があります。それは、これまで経験したことのない「強さ」や「種類」の症状が発生したときです。逆に、これまで何度も経験したことのある症状であれば、急いで受診すべきだとは断言できません。
では、「医師の診察を受ける」と決めた際、みなさんはどの医療機関に足を運びますか?
耳鼻咽喉科、整形外科など、さまざまな「診療科」がありますが、目に問題があれば眼科、子どもであれば小児科など、判断しやすい診療科であれば問題はないでしょう。頭痛もあるが背中に痛みも感じるので「どの科にかかったらよいか分からない」と迷った場合にお勧めなのは、近隣にある内科の「診療所」(クリニック)です。