ウイズコロナで自分の身を守るための医療機関との付き合い方Photo:PIXTA

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、これまで以上に健康管理に対する意識が高まっています。また、オンライン診療が注目される中、「かかりつけ医」を持つことの重要性も再認識されています。そこで、「どんな症状なら病院に行くべきか」「なぜ、かかりつけ医が必要なのか」など、改めて私たちが知っておきたい医療機関との付き合い方について、話題の新刊「医者と病院をうまく使い倒す34の心得 人生100年時代に自分を守る上手な治療の受け方(KADOKAWA)」の著者で、ブログやツイッターなどを通して科学的根拠(エビデンス)に基づく医療情報を発信し続ける、医師の山本健人さんに聞きました。

体の不調、診療科に迷ったら
近隣クリニックの受診をお勧めする理由

ウイズコロナで自分の身を守るための医療機関との付き合い方やまもと・たけひと/2010年京都大学医学部卒業後、複数の市中病院勤務を経て、現在、京都大学大学院医学研究科消化管外科。Yahoo!ニュース個人オーサー。時事メディカル、看護roo!などのウェブメディアで連載。主な著書に、「「医者と病院をうまく使い倒す34の心得 人生100年時代に自分を守る上手な治療の受け方」」(KADOKAWA)、「医者が教える正しい病院のかかり方」(幻冬舎新書)など。医師による一般市民公開講座「#SNS医療のカタチ」を定期的に開催。外科専門医、消化器外科専門医、消化器病専門医、がん治療認定医、感染症専門医など。

 高熱がある、めまいがする、手足がしびれるなど、さまざまな症状が表れたときに「医師に診てもらうべきかどうか」と悩む方は多いのではないでしょうか。どのような場合に医療機関に足を運ぶべきか――。実は医師にとって、これは最も答えにくい質問です。なぜなら、症状の感じ方は患者さんによって個人差が大きく、受診のタイミングを一律に説明するのが極めて難しいためです。

 ただ、一つの目安として提案できる基準があります。それは、これまで経験したことのない「強さ」や「種類」の症状が発生したときです。逆に、これまで何度も経験したことのある症状であれば、急いで受診すべきだとは断言できません。

 では、「医師の診察を受ける」と決めた際、みなさんはどの医療機関に足を運びますか?

 耳鼻咽喉科、整形外科など、さまざまな「診療科」がありますが、目に問題があれば眼科、子どもであれば小児科など、判断しやすい診療科であれば問題はないでしょう。頭痛もあるが背中に痛みも感じるので「どの科にかかったらよいか分からない」と迷った場合にお勧めなのは、近隣にある内科の「診療所」(クリニック)です。