コロナが映す医療の闇#07
Photo by Masato Kato

薬局には調剤を受け付ける義務があるため臨時休業するわけにはいかないが、コロナ禍で売り上げは激減している。日本薬剤師会は今年度に赤字経営の薬局が3割を超えると予想する。特集『コロナが映す医療の闇』(全14回)の#07では、日本薬剤師会の森昌平副会長が薬局の惨状を激白する。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

ダイヤモンド・プリンセス号で幕を開けた
薬剤師たちのコロナ奮戦記

――新型コロナウイルス感染拡大の対応で病院も大変ですが、薬局も大変と聞いています。

 そうです。でも、薬局のことを皆さんにあまり分かってもらえなくて……。コロナ対応の初期、横浜港のダイヤモンド・プリンセス号の乗船者は高齢の方が多くいました。日本の方もいれば、海外の方もいました。

 高齢の方は大体薬を持っていますよね。日本で流通していない海外の薬をどう準備するかという問題を、東京と神奈川の薬剤師が手伝いました。日本で流通していない薬は「同一成分で何を使えるか」と検討しました。ダイヤモンド・プリンセス号を機に薬剤師のコロナ対応が本格化したんですよ。

――コロナが薬局経営に大きな影響を及ぼすと分かり始めたのはいつ頃でしょうか。

 3月くらいから患者が減りました。全国208施設を対象にした日本薬剤師会の調査では、3月は処方箋の受け付け回数(患者数)が前年同月比マイナス12.7%。4月がマイナス21.4%。5月がマイナス24.3%。つまり患者が4分の1減っちゃった。

 それだけじゃなくて処方が長期化しました。例えば今まで一度に30日分の薬をもらう人が60日分になる。それでどういうことが起きるかというと、今まで月1回来ていた人が2カ月に1回になっちゃうんですよ。