コロナが映す医療の闇#13Photo:Bloomberg/gettyimages

小池百合子・東京都知事が7月の知事当選時にぶち上げた「東京版CDC(疾病対策センター)構想」。またお得意のパフォーマンスかと思われたが、一応10月からの運用を目指すことが発表された。特集『コロナが映す医療の闇』(全14回)の#13では、国と東京都がコロナ対策の責任をなすり付け合う泥仕合の末に生まれた東京版CDC構想の現実味を徹底検証する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

得意のパフォーマンス戦法は通用しない
再選早々コロナ対策で正念場

 新型コロナウイルス対策の司令塔となる「東京版CDC」の創設を目指す――。

 7月5日に行われた東京都知事選挙で、史上2位、366万票の得票で2期目の当選を決めた小池百合子氏。翌日の会見の目玉として各メディアが取り上げたのが、冒頭の発言だった。

 環境大臣時代、「クールビズ」で一躍政界の寵児となっただけあって、標語を語らせれば右に出る者はいない小池氏のことである。今回の“CDC発言”も、「大きな花火を打ち上げて、最後はうやむやになって終わるだろう」と受け止める向きが多かった。しかし、うやむやで許されるような状況ではなくなった。

 都知事再選以降、東京都の感染者数は連日史上最多を更新し、7月の「Go To トラベル」キャンペーンでも、東京都だけが対象から除外された。

 お得意のパフォーマンス戦法はもはや通用せず、東京版CDCをはじめとするコロナ対策で、具体的な結果を出さなければならない局面に追い込まれている。