コロナ禍の時限的措置として全面解禁されたオンライン診療に、LINEヘルスケアが今夏にも新規参入する。特集『コロナが映す医療の闇』(全14回)の#09では、LINEヘルスケアの室山真一郎社長が「医療版プラットフォーマー」大構想を赤裸々に語った。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
くしくもコロナで環境が整い、
オンライン診療の参入時期を早めた
――オンライン診療は、新規参入の環境が整うのは少し先とみていたのですか。
オンライン診療にはガイドラインがあって、対象疾患などが非常に厳格に定められていましたから。ユニバーサルに届けられないとビジネスとして継続的に提供できませんので、それができるようになるまでは少し時間がかかるだろうと正直思っていました。それが5年なのか10年なのかっていうのは分からないですけど。
インターネットの世界からすると5年、10年というのはすごく先だという感覚。ただ必ず来ると。諸外国の例を見ても必ず来るというのは確信していました。
来てからやるのでは手遅れ。ですので、ヘルスケアに関するサービスをLINEとしてきちんと立ち上げて、結果として何か健康に不安がある、相談したいときに LINEを使うという体験を提供していこうと思い、まずは2019年末にオンライン健康相談から始めたのです。
――オンライン診療は規制が厳しい状況でしたが、コロナ禍を受けて2月ごろから段階的に緩和されました。そして4月10日には、コロナ終息までという時限的なものではありますが、全面解禁が厚労省から通知されました。
さすがに今年からできるっていうのは全く予想していませんでした。
――大突貫でシステムを構築している?
そうです。 4月10日にオンライン診療が時限緩和される間際まで、思ったより緩和されないという観測もありました。それがふたを開けてみれば基本的に全面緩和。準備はしていましたから、それを受けて一気に進むことになりました。
サービス開始時期は早ければ早いほどいい。冬になると通常の風邪とかインフルエンザとか、ただでさえ体調を崩すケースが多くなってくるところにコロナが重なる。ここに対してぜひ自分たちのサービスをお届けできるようにしたい。