D ストライプもユニクロさんと同じようにオーナー企業なので、とにかく石川(康晴社長、当時)さんのトップダウンで動いていました。どんな細かいことも石川さんのチェックが必要でした。

――そうなんですね。ストライプは社員の過労死事件によって、13年に「第2回ブラック企業大賞」にノミネートされた後、16年に社名変更しています。社名ロンダリングといった意味合いはあったんでしょうか?

D いや、念頭にあったのは上場だと思います。上場するからには「インターナショナル」を入れた方がいいという石川さんの考えで。でも石川さんは思い付いたらすぐやりたくなる。社名変更するという情報が社長から社員に下りてきた時点で、社名変更の日まで半年を切っていました。その準備のために社員は奔走することに……。

――結局上場はできませんでしたね。

D  ちょうど上場審査が厳しくなった時期でもあったんです。売り上げは右肩上がりなのですが、上場を控えているのに投資をどんどんするから、上場のタイミングを逃してしまった。私は数年前に転職しましたが、社内では「20年こそは」という雰囲気だったようです。その矢先に、石川さんが……。(注:20年3月、石川氏の女性社員へのセクハラ行為が発覚し、社長を辞任)

――以前からセクハラ疑惑のようなものは社内であったのですか。

D 「誰が」というような具体的なものではなかったのですが、うわさはありました。もし本当だとしても、社内の人じゃないといいなあ、と思っていました。ヤングレディース・アパレルなので、相当影響があるだろうなと。

C 僕もうわさは聞いていました。

――社内では少し前から知られていた話だったというわけですね。Cさんはストライプの前のUAをなぜ辞めたのですか。

C UAは待遇がいい会社だったんですけど、入社してみると、上が詰まっていて簡単に異動できないということが分かってきました。僕はECをやりたいと考え、希望を出していたんです。でも、課長になるだけで40歳前後まで待たなくてはいけないし、その上販売部では課長クラスでも店舗にいることも分かってきた。年功序列が強烈で、ECなんていつ関わることができるか分からない。

 これは駄目だと1年で辞めて、アパレルECのベンチャーに転職しました。すぐに開発に携わることができましたよ(笑)。何社かアパレルベンチャー企業を転々とした後に独立して、今はシステム開発コンサルタントをしています。

――アパレルECの開発者になりたい人は、新卒でアパレルに就職してはいけないということになってしまいますね……。