ユニクロで出世するのは
「柳井語」を理解できる人

――レナウンと他社の違いは。

A 本当にお人よしというか、紳士な人ばかりなんです。いい人たちの集まり。

――あの人たちは貴族だ、と業界の人が話していました(笑)。

A そうかもしれない(笑)。レナウンと比較すると、やっぱりオンワード(ホールディングス)はすごい。体育会系で、やると言ったらやり切る。百貨店からの撤退も彼らならできる。

 最近でも百貨店がお人よしのレナウンに、「オンワードが退店したからあと少し残ってほしい」と言っていたようですよ。こっちはもう破綻してるんですけど、まだいなきゃ駄目ですか、と(笑)。

 昨年ZOZOからオンワードが撤退したときも「おおー!」と、うらやましく思いましたね。

――先日また協業しましたけどね。

A それすら何かの作戦じゃないかと疑っちゃう。オンワードですからね(笑)。

 レナウンは直営店が少なく、販売員のコロナ対策も、館(百貨店やファッションビル)の判断を仰がなくてはなりませんでした。従業員を守りたくても、館の判断で対策がばらついてしまう。他社がさまざまな策を講じる中、「うちの従業員はこうさせる」と言い切ることができなかった。ここに来て、何でも館任せでやってきたツケが回ってきたんでしょうね。

――ユニクロと他社の差は。

B 出世する人のパターン。一般的なアパレルは基本的に年功序列ですが、ユニクロは違います。出世する人の共通点は、柳井さんの「なんか嫌」とかいうあいまいな指示を的確に具現化できて、なおかつものすごい速さで仕事をする人です。現在のユニクロの国内事業トップである赤井田真希さんはまさにそういう人ですよ。

売れない服を作り過ぎるのは
「セールのための在庫」まで作るから

C 開発者からすれば、(ユニクロの親会社の)ファーストリテイリングはすごくいい会社ですよ。エンジニアだけで何百人と採用していますし、その数もメガベンチャーと変わりません。というか、ファーストリテイリングはメガベンチャーなんですよ。

B 価格コントロールも製品ごとにやっていますしね。ユニクロ以外のアパレルは、ワンシーズンを「売り減らし」の計画を前提として生産しています。定価で売って、会員向けに売って、本セールで売ろうとするため、「セールのための在庫」まで作ってしまう。

――売れない服を作るのが前提のビジネスモデルですね。

B そうです。一方ユニクロは、初めから商品が売り切れるように計画を立てています。どういうことかというと、新しい商品を売り始めたら、その商品の初速の動きを見て、この商品をいつ頃に売り切るなら、いつどんなチラシを入れればいいか、あるいは価格をどの程度改定すればいいか、ということが計算可能なのです。そうすればセールは不要です。