9月入学
一時期、あれほど大騒ぎした「9月入学」議論は、まるで「なかったこと」のように聞かなくなった。企業内での「積年の課題」でも同じようなことが起きていないか Photo:PIXTA

9月に入り、日本における新型コロナウイルスの新規感染者の発生状況は少し落ち着いたようにも見える。このタイミングで、当初のコロナショックにおいて、企業内で進めてきた多くの検討課題を、まるで一時期話題となった「9月入学」の議論のように、なかったことのようにストップしてしまっていることはないだろうか。今後も「第3波」の懸念があり、まだまだ予断を許さない状況が続くのは明らかだ。コロナ禍をきっかけに、「積年の企業課題」に取り組み続けて構造改革を進めた企業とそうでない企業では、その後に「大きな格差」が生じるのは確かである。(経営コンサルタント、元アクセンチュア マネジング・ディレクター 中野豊明)

ウイズコロナが長期化し常態化
「完全に元通りになる日」はすぐには来ない

 8月17日に内閣府が発表した日本の2020年4~6月期の実質GDP成長率は、-7.8%で、年率は-27.8%であるという統計結果が大きなニュースとなった。これは言わずもがなであるが、新型コロナが日本経済に記した爪痕である。

 政府のGDPの発表からほどない先日、WHOは新型コロナの世界的な流行が2年以内には終息する希望を持っていると発表した。

 ワクチンや治療薬の開発によって、2年と言わずにもっと早い時期に終息してもらいたいと切に願うが、限られた情報だけで見ると、世界の累計感染者数が1000万人になったのは6月末で、8月上旬には2000万人に達している。つまり約6週間で倍増した計算だが、仮に今後も6週間で倍増するペースが続くとなると、1年後の2021年9月には100億人を超える。