新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、家族は最期をみとることもできない――。このように、大きな災害が降りかかるたび、人々の死生観は変化してきた。宗教の垣根を越えて活躍する僧侶の松山大耕氏に、仏教から考える “死”との寄り添い方を聞いた。(ダイヤモンド編集部 塙 花梨)
人生最期をどう迎えたいか?
コロナで拍車が掛かる“安全志向”の死生観
――新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の死生観が変化したように思います。
志村けんさんや岡江久美子さんのように、コロナに感染し入院してしまったら、みとることもできず、お葬式もできず、いきなりお骨になって帰ってくる。そういった経験を直接でなくても目の当たりにしたら、疑問に思うのは自然なことです。
安全志向を取り払い、「どのように最期を迎えるか」を真剣に考える手助けをしたいですね。
――安全志向というと?