テレワークの負の側面として懸念されている「コロナ離婚」。夫婦が四六時中、一つ屋根の下にいることで関係が悪化するのではないかという見立てだ。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#53では、統計上にはまだ表れていないが、「離婚の急増はこれからが本番」という離婚カウンセリングのパイオニア、岡野あつこ氏にコロナ離婚の深層を聞いた。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
離婚カウンセリングが急増中
3密ならぬ3Sを抱える妻たち
――新型コロナウイルスの感染拡大前と比較して、離婚相談の件数は増えていますか?
実は、想像をはるかに超えて増えているんです。3月あたりに大手企業が先駆けてリモートワークを導入し始めた頃から。私たちが取り扱っている相談件数で言うと、外出自粛にもかかわらず面談による相談が前年の同時期よりも3割増し、電話相談だと5割増しになりました。
もちろん国の統計上は、例年に比べると4~5月の離婚件数そのものは減っています。ですが、自粛生活の中、離婚届の提出を土壇場で思いとどまっているだけで、水面下の離婚予備軍はむしろ増えているというのが離婚カウンセリング現場の実感です。
――「コロナ離婚」の相談者は、以前と比べて、異なる特徴があるのでしょうか?