またテキストのコミュニケーションだけでは顔が見えず、本当に元気にしているのか、心配に思う管理職もいるだろう。そこで大谷さんは毎日Zoomによる朝礼を実施。最初はチームごとで実施していたが、それでは飽きてしまうだろうと、今ではテーマにわけてグループを作るなど、工夫をしてコミュニケーションを生み出すようにしている。
「あなたの朝食はご飯派?パン派?というような質問を用意して、それぞれの答えに合わせてZoomの部屋を用意し、そのテーマで話してもらったり、近況報告をしてもらったりしています」(大谷マネジャー)
在宅勤務になると特に心配なのは、まだ業務になれていない新人の教育だろう。同社では今年異動してきたばかりのメンバーは優先的にオフィス勤務にしているが、業務を始めて1年程度のメンバーは在宅勤務を行っており、そのフォローにはいろいろな工夫を行っている。
例えば、お客様の問い合わせに十分にその場で答えられない場合は、内容を顧客管理システムに詳しく記載し、その後、ベテランのオペレーターから説明をするエスカレーションを行った。これによって、1人の担当者が調べることで予想以上に時間がかかる状態を減らし、応答率をアップさせることにもつながったという。
また、経験の浅いオペレーターの通話時間が長くなっている場合などは何か問題が起きているケースも多いが、遠隔でもリアルタイムで通話内容を聞ける形になっているため、リーダーなどがオフィスにいるときと同じようにアドバイスができたという。その際、Slackを使ったり、文字だけでは伝わりにくい際は積極的に自宅からも利用できる内線電話で話したりしたという。
「新人オペレーターでは在宅はとても難しいと思っていたが、思い切ってトライしたことで、ひとりで考えて、調査、お客様にお答えする訓練にもなり、急成長につながった。またほかのメンバーも在宅になってやる気が下がることもあるかと思ったが、維持してくれている。こうしたことも応答率の向上につながった理由かもしれない」(大谷マネジャー)