そして、チーム内で共通の目的(チームビジョン)を持つことです。会社から与えられた数字目標だけでない、このチームで実現したい共通の目的であることが大切です。上司がトップダウンでおろし、合意を得るというやり方もありますが、チーム全員で話し合い、個人個人の思いが込められたものになるとより強いコミットメントが形成されます。この共通の目的が、チーム全員で創意・工夫を行う「的」となり、ゴールとなります。
「会議体の設計」も重要です。ありがちな営業会議は、数字を達成できない人の「詰め会」になりがちでした。しかし、詰め会やプロセス管理だけの会議体では共創は生まれません。
共通の目的に対しひとりひとりが創意工夫をし、みんなで磨き合うテーマを決め、情報やアイデアを共有する場を営業会議にアジェンダとして盛り込んでいきましょう。例えば、自社の商品を使いこなしている顧客と使いこなしていない顧客の違い、キーパーソンに会えたケースと会えないケースの違いなどです。
共通の目的、共通のテーマに対し、この1週間どんな創意工夫をしたのか。やってみて上手くいったこと、やってみて失敗したこと、やれずに困っている事(障害と感じている事)も含めて吐露してみんなで考えるのです。
こうした意見を交わす場の取り回しは、アジェンダ設計とファシリテーションのスキルが必要になります。オンラインの場合はなおさらです。数字の管理は「見える化」や「事前共有」などの工夫で極力省力化して、みんなが集まらないとできない共創の場を作り出すことが大切です。
また、積極的にナレッジを共有し合い、学び合う組織をつくるには、ナレッジをシェアする人を徹底的に称えることが大切です。数字だけを挙げている人よりも、仕事の価値やプロセスのナレッジを言語化し、シェアできている人を表彰したり、昇格させたりすることが、その組織が本当に大切にしているものは何かを証明することになります。