新しいマネジメントの教科書#11
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“コロナ鬱”という言葉が生まれるほど、コロナ禍での働き方の激変でメンタルに不調を来す従業員が増加した。自殺を懸念する声もある。上司は部下の業務管理だけでなく、メンタルに対してもこれまで以上の配慮が必要になる。特集『新しいマネジメントの教科書』(全18回)の#11では、特に注意すべきタイプの部下の特徴や、不調を早期発見するためのポイントを見ていく。(ダイヤモンド編集部 山出暁子)

20代の独身男子は
なぜ休職に追い込まれたか

 都内在住の加藤隆さん(仮名・20代)は独身で1人暮らし。今年4月7日に緊急事態宣言が出されてから、勤務体制がテレワークに移行した。狭い部屋で一人パソコンに向かう日々。オンライン上で人と話をすることはあっても、朝・昼・晩のご飯も一人だ。

 パソコンの同じ画面に向かうだけの日常を続けていると次第に「孤独」「孤立」を強く感じ、ひどく落ち込むようになった。

 そうした中、あるミスをして上司から少しきつい口調で注意を受けた。それ以来、上司に何か言われると常に責められている気持ちに襲われ、上司から連絡が来るたびに激しい動悸がするようになった。次第に上司からの電話が取れなくなり、結局、休職することになってしまった。

「コロナ鬱」という言葉まで生まれたように、新型コロナウイルスの感染拡大は、働き方そのものだけでなく、働く人のメンタルにも大きな影響を及ぼしている。

 メンタルヘルスの基本は「早期発見」といわれるが、新しい働き方であるリモートワークは、上司が部下の変化に気付きにくい環境だ。加藤さんは人事部や産業医との相談によって休職という事態に至ってしまったが、実はもっと早い段階で、上司にできることがある。

 部下の異変に気付くために、どんな上司でもすぐできる、「部下の観察の仕方」「相談に乗る方法」「業務進捗の確認方法」「リモートワークの職場環境づくり」について専門家の話を聞いた。