研修の学習領域を
3つに分けて考える
あなたの企画している「研修」の目標は何でしょうか?
インストラクショナルデザインでは、学習に期待される結果を「学習目標(習得目標)」と呼びます。学習目標では、結果として期待される行動を「~ができる」と表現します。
次に、目指す学習の内容を分類します。それを「学習領域(ドメイン)」と呼びますが、大きく「スキル(Skill)」「態度・行動(Attitude)」「知識(Knowledge)」の3つに分類することができます(図1)。それぞれ、以下のように定義でき、それぞれにあった学習方法があります。
【スキル】感覚や動きなど、身体を使って覚えなければ学習できない領域
【態度・行動】「対人能力」と「情動的能力」の2つに分類でき、いずれも概念を捉えた上で、それにふさわしい行動は何かを他者とのやり取りがあって学ぶことができる領域
【知識】さまざまな条件や概念を記憶する、問題解決をする、規則やルールに適応する、基本情報を応用する、さまざまな項目や状況を分類する、データを分析、統合する、そして情報を評価するといった知力を学ぶ領域
習得すべきレベルで
集合研修が必要かどうかが決まる
これら3つの学習領域は、図2のようにその習得すべきレベルによって、「人とのやり取りが必要なレベル」と「一人でも学べるレベル」に分類できます。つまり、「知識」の分野でいえば、情報の付与と覚えることが目的であれば、必ずしも「集合研修」である必要はありません。スキルの領域、態度・行動の領域でも同様です。このように習得目標とは、目指す学習の目的によって、必要な学習の段階と学習活動(研修の具体的方法)を選択する指標なのです。
研修の「質」は、目指すべき習得目標に適した学習活動が提供され、受講者が習得目標を達成できたかどうかによって判断する、とインストラクショナルデザインでは考えます。さて、皆さんの集合研修では、どんなことが行動レベルで期待される習得目標だったでしょうか?