テクノロジーの進化で広がる
オンライン研修の幅

 従来、3つの学習領域の中でも「スキル」や「態度・行動」は、オンラインで学ぶことが難しいと言われてきました。しかし、双方向性が高いテクノロジーを利用できるようになった今、相手の動きを捉えながらフィードバックすることも可能になりました。Zoomを活用したヨガ教室や、ピアノの指導、ダンスなどの指導がその良い例です。

 また、グループでのディスカッションやお互いのフィードバックをやり取りすることが可能なソーシャルネットワークを使った学習コミュニティーも生まれています。

 これらで重要なことは、研修で目指している目標にたどり着くための学習プロセスにおいて、どのタイミングで、どのようなフィードバックや双方向性が必要かということです。

 例えば、同じ集合研修でも、一方的な講義であったり、講師一人に対する人数が多すぎて、各人へのフィードバック提供が難しいようなクラスサイズ(適切な研修でのクラスサイズは、10人から15人くらいと言われている)であったりする場合、研修の質を高く保つことはできません。つまり、集合研修の方がオンラインよりも研修の質を高く保つ上で優れているとは、必ずしも言えないのです。

 では、どのような観点で、集合研修やさまざまなオンライン研修の形態から最もふさわしいものを選べばいいのでしょうか?

オンライン学習の種類
「同期・非同期」「双方向性ある・なし」で分類

 オンライン研修の種類をマトリックスで示した図3をご覧ください。横の軸はタイミング、つまり同期か非同期か、縦軸はインタラクティブ(双方向)か一方通行かを示したものです。講師や参加者同士のリアルタイムのやり取りがあって習得が可能な分野(例えば、態度・行動の領域や知識の上位習得レベルなど)は、(2)のバーチャルクラスの部分に当てはまります。オンラインではない場合では「集合研修」にあたる部分です。リアルタイムでも、一方通行で、習得が受講者に委ねられるのが、Webinarや対面式のセミナーです。

 また、クイズや受講者に動きが要求される一定のインタラクションはあるけれども、リアルタイムのフィードバックなどがないのが、コースコンテンツとして提供されるe-ラーニング。そして、自分でコントロールはできるけれども、インタラクションがないのがオンデマンド動画コンテンツです。