この減価償却の計算に使われる建物の耐用年数は、建物の構造や用途によって異なっており、例えば、戸建に多い木造は22年と定められている。住宅用の鉄筋コンクリート造の耐用年数は、かつては60年とされていたが、1998年に改定されて、現行の47年になった。

 どうして「47年」という数値になったのか。実は、件数は少ないが、1998年当時に取り壊されたマンションの平均寿命が46年だったのだ。そのあたりが、税法上の耐用年数に定義されたのではないかと思われる。

 では、実際に鉄筋コンクリート造の建物の寿命は何年くらいなのだろうか。国土交通省は「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書(平成25年)の中で、「鉄筋コンクリート造の物理的寿命は117年」「一般建物(マンション)の耐用年数は120年で、延命措置を施せば150年に延ばせる」という趣旨の発表をしている。

長持ちのポイントは
スケルトン・インフィルにあり

 ただし、鉄筋コンクリート造ならば、どんなマンションも「100年以上もつ」というわけではない。ポイントのひとつは設備配管類(給水管や排水管、ガス管など)だ。設備配管類の耐用年数はコンクリートの耐用年数よりも短く、およそ30年程度で更新が必要になる。

 昭和初期に建てられたマンションには、この設備配管類をコンクリートに埋め込む方法で施工されている例が多いが、これらがコンクリートに埋まっていると、修理や更新を行うことは難しく、結果としてマンションの解体や建て替えを余儀なくされてしまうのだ。

 前述の1998年当時に取り壊されたマンションの解体理由も、その多くが設備配管類を取り替えることができない造りになっていたことにある。

 要するに、古い施工方法で作られたマンションは、設備配管類の寿命とともに、建物も寿命を迎えることになるのである。

 現在では、マンションの耐用年数を上げるために、設備配管類のコンクリート埋設をしないことが最低限の条件といえる。そこで、ここ20~30年前からは「スケルトン・インフィル」という工法が主流になっている。