高利回り商品#10Photo:seksan Mongkhonkhamsao/gettyimages

安定した収入があるサラリーマンは融資を受けやすいため、安易に不動産投資を始めて資金繰りに窮するケースも多い。そうした事態を避けるために利益より大切なものとは?特集『高利回り商品 総点検』(全12回)の#10では、不動産投資の初心者が押さえておかなければいけない大事なポイントを解説する。(ダイヤモンド編集部編集委員 田中久夫)

「キャッシュフローの管理をきちんと行えば
これほど手堅い商売はない」

 2002年から不動産投資を始めた石川貴康氏は現在、木造アパートをメインに17棟、156戸を所有している。

 本業は製造業のコンサルタント。毎年必ず1物件は購入することにしていて、本業で稼いだお金のほとんどを不動産の購入に充ててきた。

 だが、不動産投資はあくまで副業という位置付け。「お金は本業で稼ぐべきだ。副業であるなら無理をしないことが大切」と話す。

 石川氏は、初心者を対象に不動産投資セミナーの講師も務めている。彼らを見ていて驚くのは、会計や税務の知識がないのに平気で買うこと。「よく買えるものだと思う。この2、3年でワンルームなどをほいほい購入した人は、今つらいことになっているのではないか」

 不動産投資で大切なことは、会計上の利益だけでなくキャッシュフロー(手残り)の管理。石川氏自身、過去に資金繰りで冷や汗をかいたことがある。だが逆に「キャッシュフローがなくならないようにきちんと管理すれば、これほど手堅い商売もない」と断言する。

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