コロナ禍によるショックから徐々に立ち直りつつある米国経済。特集『総予測2021』(全79回)の#8では、米国経済に詳しい3人の専門家に、GDP(国内総生産)がコロナ禍前の水準を回復しそうな時期を予想してもらった。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。
第二次世界大戦の戦死者を上回った米国
コロナ禍のショックから経済は回復傾向
新型コロナウイルスの感染者、死亡者とも世界最大の米国。12月10日時点でコロナによる死者数は累計約29万2000人と、第2次世界大戦の戦死者を数百人上回ってしまった。そんなコロナの猛威は、当然ながら、世界最大の経済大国である米国の実体経済にも及んでいる。
米商務省によれば、四半期別で最もコロナ禍の影響を受けた2020年第2四半期(4~6月期)の実質GDP(国内総生産、季節調整済み)は、3~4月に移動制限やロックダウン(都市封鎖)が行われた影響などを受け、前期比年率31.7%減(改定値)と過去最大の落ち込みを記録した。
ただし、徐々に経済活動が再開したことに伴い、個人消費がけん引する形で第3四半期の実質GDPは同33.1%増(改定値)と急回復。IMF(国際通貨基金)は最新の経済見通しで、20年通年の米実質GDPについて、前年比4.3%減と予測している。
こうした流れを踏まえ、米国経済に詳しい3人の専門家に21年の米経済はどうなるのかを予測してもらった。次ページより、成長率の予想レンジや新型コロナの感染状況の想定、見通しの理由など一挙に見ていこう。