新型コロナウイルスの流行で春に経済活動が停止した時、米小売り大手ウォルマートはクリスティーナ・ロジャーズさんが眼鏡技師として働いていた部門をほぼ閉鎖した。子供たちの学校も休校となった。ユタ州セントジョージで巣ごもり生活を送る中で、貯金に手をつけなくてはならなくなるかもしれないとロジャーズさんは思った。ところが、彼女の経済状況はむしろ好転した。子供の面倒を見るために勤務時間を減らしたので給料は減ったものの、会社からの賞与と連邦政府の給付金という臨時収入を得た。ロジャーズさんは株式相場が春に急反発する直前に株を購入。また、金利が急落する中、住宅ローンを借り換えた。コロナ禍はほとんど誰も予想しなかったであろう形で展開してきた。金融関係者や消費者保護団体、そしてジャーナリストも、経済が3月に崩壊した時、米国民の家計も崩壊すると予想していた。最後の金融危機がいかに何百万人もの人々に打撃を与えたかを多くの人が思い出していた。
コロナ下の米家計、「予想外の光」と陰
株高や救済策のおかげで家計は全体として好転したが、その陰で格差が拡大
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