自衛隊員が乗ったオスプレイ群馬県内に着陸する、自衛隊員が乗ったオスプレイ(12月15日) Photo:Shiho Fukada for The Wall Street Journal

【相馬原駐屯地】米海兵隊は西太平洋の島しょ地域での紛争に備えて日本での訓練を強化している。この地域は中国の軍事的脅威に対する米国の戦略転換の最前線となっている。

 海兵隊は、近年の作戦対象だった中東やアフガニスタンの過激派よりもずっと大規模で洗練された敵との対決に備えている。中国は今や、軍事衛星やサイバー戦能力、人工知能(AI)の活用、そして米国との差を縮めつつある攻撃能力により、米国防総省が「ほぼ同等」のライバルと呼ぶ存在になっている。

 最近行われた一連の演習では、2機の「CH-47チヌーク」ヘリコプターで着陸した数十人の海兵隊員が背の高い草に紛れて展開し、2機のティルトローター機「オスプレイ」で到着した日本の自衛隊員が続いた。想定された任務は、敵に察知されないよう行動し、敵のミサイルや砲弾の射程内にある島の港を奪回することだ。

 この演習は、小規模分散型の部隊と司令拠点に重点を置いたもので、敵に位置を特定されにくくして攻撃を避けるための新たな戦術を反映している。装甲車両3台で構成された指令拠点からの指示で行われた最初の訓練の一つだ。こうした拠点は数分で設置・移動ができ、探知可能な信号をあまり出さない。

 ノースカロライナ州のキャンプ・レジューン海兵隊基地を拠点とする第8連隊第3大隊指揮官のニール・ベリー中佐は「われわれはテントやコンピューター画面の利用を回避しようと努めている。その理由は第1に、地理的に極めて固定化されやすいこと、第2に、電磁的な情報を大量に発することだ」と述べている。