米国は新型コロナウイルス禍で最悪の日々に突入しているが、それでも工場は好調を維持している。米供給管理協会(ISM)が5日発表した12月の製造業景況指数は60.7と、前月の57.5から上昇し、過去2年間で最も高水準となった。指数が50を超えると製造業活動の拡大を意味するが、重要なのは、これが製造活動の拡大がいかに速やかに進んでいるかを正確に測るものではないということだ。むしろ数値の上昇は、活動状況が以前よりもましになっている工場が増えているということを表すものだ。それでも、今回の報告に含まれているコメントは製造業が好調であることを示唆しており、業況はコロナ禍前の水準を上回っているとの声もある。このことは、今回の不況の非典型的な性質を反映するものだ。通常なら不況に強いはずのサービス業が大打撃を受けた一方、自動車や洗濯機などさまざまな製造品の需要が高まった。過去の不況で最も打撃を受けてきたのは製造業セクターだった。