新型コロナウイルス禍で、西側諸国の公的債務は対国内総生産(GDP)比で、第2次世界大戦以来の水準に跳ね上がった。これに対処するには、今後の物価見通しを正確に把握する必要がある。高債務を巡る懸念はこれまで、何度も杞憂(きゆう)に終わっている。それでも当局者の間ではすでに、債務に上限を設定しようとする動きが出ている。ユーロ圏では、財政赤字の上限が再導入される公算が大きい。英国では、リシ・スナク財務相が財政は「持続不可能な」軌道にあるとして警戒感をあらわにした。財政政策の積極派が生き残るとすれば、新たな規定が必要になる。「債券の自警団員(物価上昇圧力を招くとみる財政・金融政策に反対して売りで応じる債券投資家)」を回避することを目指すべきか、それともインフレ高進を招かないようにすべきか。
コロナで過剰債務? インフレの異なる見方
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