夫婦の相続#11
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家族が遺産を巡って、相続ならぬ“争族”を起こす。富裕層の特権かと思いきや、ごく普通の家庭にもその火種はくすぶっている。愛する家族を争族から守るにはどうしたらよいのか。特集『夫婦の相続』(全13回)の#11では、相続を争族にしない方法を考える。(ダイヤモンド編集部 野村聖子、山出暁子、取材協力/相続実務士R・夢相続代表取締役 曽根惠子、監修/税理士・弓家田良彦)

「週刊ダイヤモンド」2021年1月16日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。本文中「争族の火種2」については、曽根惠子氏への取材・解説を基に作成した。

「うちは大丈夫」が一番危ない
節税の前にまずは争族回避

「借金をしてアパートを建て、相続税を減らしたいと思うのですが」――。

 2015年の税制改正で相続税が大幅に増税になってからというもの、相続の専門家へのこのような相談が増えているというが、税理士法人弓家田・富山事務所の弓家田良彦税理士は「節税よりも前に、もめ事の回避が最優先」と警鐘を鳴らす。

 確かに、家族が仲良く経済的にも豊かに暮らしてほしいと残した財産がもとで争いが起こることは、誰もが本意ではないだろう。

 さらには、遺産分割協議がもつれて長期化すると、いくら生前に相続税対策をしたところで、その全てが水の泡になるのである。