改正相続#11
Illustration by Yuuki Nara

相続する実家が空き家となっており、売却を考えているという人は多いだろう。そのとき、相続する前か後か、築年数はどれくらいかなどの条件によって、税金の額が異なってくる。特集『改正相続、もめごと全解決!』の最終回となる第11回では、損をしない空き家の売り方について解説する。

「週刊ダイヤモンド」2020年5月2日・9日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

税金に大きな差額!
空き家を売るベストなタイミングは?

 望月治夫さん(仮名・53歳)の実家は、父親の死後、長い間母親が1人で暮らしていた。ところが、母親も年を重ねる中、次第に体力の衰えと身の回りに不安を感じるようになったため、老人ホームに入ることを決めた。

 母親が老人ホームに入居して以降、実家は空き家のまま放置されていた。もう誰も住まないし、実家の処分も考えておかないと……。そうは思っていたが、なかなか仕事も忙しく、先延ばしにしていた。

 しかし、ついに母親が大往生を遂げた。

 母親の葬式や遺品整理などをあらかた済ませた望月さんは、改めて実家の売却について調べてみた。すると、どうやら母親が生きているときに売った方が税金上有利だったということに気が付いた。だが、すでに後の祭り。望月さんはただ嘆息するしかなかった。

 家は、相続時に税金がかかるだけでなく、売るときにも「譲渡税」(不動産の譲渡による所得に課税される所得税と住民税)という税金がかかる。さまざまな形で活用しようにも、何かと「お金」がかかるのが家の特徴といっていいだろう。

 特に空き家は、売るタイミングによって税金に大きな差が出るため、損をしないようによく実家の将来像を考えて事前に対処しておく必要があるのだ。