企業価値やキャッシュフローでは人の心は動かせない Photo:PIXTA

スターバックスやザ・ボディショップなどでCEOを務めた岩田松雄氏。岩田氏は、人と人のつながりが希薄になるコロナ禍の今、企業にますます重要視されているのが「ミッション」であると説く。多くの有名企業で実績を残してきた岩田松雄流の経営哲学を伝授する。「スターバックスはコーヒーを売っているのではない」「ビジネススクールや大学の経営学の授業は間違っている」と語るその真意とは?(リーダーシップコンサルティング代表 岩田松雄)

何のためにこの会社で
働いているのか?

 今ほど企業や組織に強い「求心力」が求められている時代はありません。

 先の見えないコロナ禍の中、在宅勤務やオンライン上のコミュニケーションが増えたことで、以前と比べて人と人のつながりが希薄になってきています。

 私の息子の場合、会社の自分のデスクが撤去され、コロナ禍が収束した後もリモートワークが基本となるようです。多くの企業や組織において、こうした流れは不可逆的に恒常化することになるでしょう。

 普段顔を合わせないと、メンバーの会社や組織への帰属意識はどうしても薄れていきます。「何のためにこの会社で働いているのか?」と、自分自身の存在意義まで感じられなくなる人もいます。そこで大切なのが「ミッションを共有すること」です。ドラッカーも著書で引用している有名なスローガンを例に、詳しく説明いたしましょう。