「米国株に投資したいけど個別銘柄はハイリスクだし分からない……」。そんな人にお薦めなのが、米国の主要株価指数と値動きを連動させるインデックスファンドへの積み立て投資だ。特集『資産1億円の作り方』(全19回)の#11では、iDeCoとNISAという非課税制度を活用したその投資法を、日本つみたて投資協会代表理事、太田創氏が解説する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
米国株への長期の積み立て投資で
資産1億円も夢ではない!?
株式投資でより効率的に資産を増やしたいならば、「日本株よりも米国株」と考える投資家は少なくない。本特集『資産1億円の作り方』#8~10でも、米国の個別株投資を軸に1億円の資産を築いた著名個人投資家、エル氏の米国株投資術を紹介した。
だが、米国の個別株への投資となると二の足を踏む人も多いはず。
「そういう人には、野球で言えばホームランを狙わずに、バントにバントを重ねて塁を進め、最後に1点入れて勝つ方法を勧めたい。特に一般のサラリーマンで、現在の仕事を収入の柱として続けていくつもりの人であれば、個別株に投資するより、毎月一定額を投資に回す、積み立て投資で米国の株価指数を購入する方が向いている」
そうアドバイスするのは、日本つみたて投資協会の代表理事、太田創氏だ。
『米国つみたて投資』などの著者として知られる太田氏は、エル氏と同じく米国株の優越性を重視するが、その投資法は個別株ではなく米国の株価指数への長期の積み立て投資である。
「もちろん個別株のように短期間で大きく株価が跳ね上がることはないが、その分リスクも抑えられる。それでも日本株を大きく超えるリターンが十分期待できる」(同)からだ。
太田氏が想定する目標資産は、1億円ではなく、あくまで老後に向けたプライベート年金づくり。具体的には「30年間、毎月3万円を積み立て、3000万円をつくること」を提唱する。だが、「本気で米国の株価指数への積み立て投資に取り組めば、3000万円どころか1億円を目指すことも不可能ではない」(同)という。
積み立ては、原則として始めるのが早ければ早いほど楽にたまる。仮に積立期間を就職直後ぐらいから始める40年間、年平均リターンを5%と仮定すれば、1億円に達する月々の積立額は約6万5000円だ。もちろん、その時々の年齢で積み立てられる金額は変わるだろうが、「かなり現実的な金額」(同)と感じる人は少なくないのではないか。
米国の株価指数に投資していれば、年率で平均7%以上のリターンをもたらしてきた。太田氏が掲げるその鉄則をまとめたのが次ページの表だ。
個々の説明は『米国つみたて投資』に譲るが、ここでは、八つの鉄則の中でも太田氏が特に推奨する、非課税制度(「iDeCo」と「NISA」)をフル活用した米国株積み立て術を紹介しよう。