50代や定年を迎えてから投資を考える人も多いはず。だが、そんな中高年の投資法は「インカムゲインに限定すべし」と「Bコミ」のハンドルネームで知られる個人投資家、坂本慎太郎・こころトレード研究所所長は言う。特集『資産1億円の作り方』(全19回)の#13では、坂本氏に中高年向けの投資法を聞いた。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
――これから投資を始めたいという中高年が気を付けるべき点を教えてください。
投資を語る上で、まず決めなければならないのが、キャピタルゲイン(資産の売却によって得られる利益)と、インカムゲイン(資産の保有で得られる配当などの利益)のどちらを狙うのか、ということです。
キャピタル狙いの不動産投資は近年、例えばタワーマンションを買うにしてもサラリーマンには厳しい価格帯になってきたので、現在所有しておらずこれから始めるのはなかなか厳しいでしょう。
また、株式投資の方も、企業の業績の伸びが2018年の3月期で頭打ちになっていることを考えると、今後も日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といったインデックスが上がり続けるとは思えません。評論家などの中には「まだ上がる」という強気の人もいますが、僕は今の相場を冷ややかに見ています。日経平均株価が1990年以来30年ぶりの高値をつけましたが、それは一部の大型株の銘柄が引っ張っているだけで、小型株の方は置き去りになっている銘柄がすごく多いのです。
そうなると、今後、株でキャピタルを狙うには個別銘柄の選別が必要になってきますが、こちらもこれから始めるという素人にはハードルが高いでしょう。
このような理由から、株式にせよ不動産にせよ、今後、貯金を使ってキャピタル狙いの投資を始めるならば、せいぜい40歳ぐらいまでに限定した方がいいと思います。ましてや50歳ぐらいで運用を始めて、さらにキャピタルを狙うとなると、よほどうまくいかないと老後のお金を失いかねません。
――では、中高年の人にはどのような投資法が見合っているのでしょうか?