野村證券出身の元証券ウーマンである八木エミリー氏は、在職中の26歳から不動産投資を始め、31歳で7億5000万円の総資産を達成した若き投資家だ。特集『資産1億円の作り方』(全19回)の#15では、「不況に強く安定的かつ効率的に資産を増やす方法は、株式投資よりも不動産投資」という八木流・不動産投資術を詳述する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
26歳で脱サラを決意
自己資金はわずか250万円
気鋭の不動産投資家として知られる八木エミリー氏は、野村證券出身の元証券ウーマンだ。在職中は新人ながら東海地方で営業成績1位に輝き、社内で最年少のセミナー講師も務めたというやり手だったという。ところが、入社4年目の26歳にして退職を決めた。その理由は、なんと不動産投資に専念するためだ。
「生活費を削って貯金した自己資金250万円」(八木氏)から始まった不動産投資は5年を経て、総資産は約7億5000万円(投資総額約6億円)にまで成長した。
現在、東京都や千葉県、出身地の愛知県にアパート6棟(68室)とテナントビル1棟の計7棟を所有し、年間の家賃収入は7000万円、諸経費や税金を差し引いて手元に残る現金(キャッシュフロー)は年間2000万円になる。もちろん、不動産投資を始めるに当たって実家の支援などはなく、物件の購入は全て金融機関の融資によるものだ。
なぜ八木氏は野村證券のキャリアを捨ててまで、不動産投資家の道を選択したのか。地元・愛知県の田舎町で起きている過疎化の惨状を目の当たりにし、「地元活性化の資金を稼ぐ」と決意。「そのために30歳までに10億円、40歳までに100億円の資産をつくる」という目標を掲げたという。八木氏にとって不動産投資は、その目標を達成するための“手段”なのだ。
「私の周りでは老後までに資産を1億円つくりたいという人が多いが、その目標に一番手っ取り早く確実に近づく手段としては、株式投資よりも不動産投資を勧める」と八木氏は言う。
それでは、八木氏が今夏に上梓する予定の著書『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』から一部先取りして、31歳の若さでほぼゼロから7億円超の資産を築いた八木流・不動産投資術を解説しよう。