短期売買では、1回の投資で株価が何倍にもなることは難しいでしょう。同じ銘柄を長期でじっくり保有することで「X倍株」が自分事になるわけです。
短期売買を繰り返し、それらで成功すれば、資産を大きく増やすことも可能です。信用取引などを通じて、いわゆるレバレッジ取引をしている場合には、うまくいけば大きな資産を築くこともできます。
また、信用取引をしないまでも、自分にとってなじみのある銘柄に対して、株価が買値から2~3%程度上昇したら売却することを繰り返す、という投資をしている投資家も少なくありません。自分がよく知る銘柄に投資すること自体は悪くありませんが、かなり忙しい投資といえます。自分が忙しい投資は、投資ではなく、投機ともいえるでしょう。
こうした投資手法やアプローチは、多くの人にとってはとっつきにくく、手を出しづらい投資です。結果として、投資を身近に感じることができないというのが実際のところではないでしょうか。
では、どのようなものが、初心者でも受け入れやすい投資へのアプローチといえるでしょうか。
一言でいえば、継続的に利益を生み出し続ける企業を長期で保有するというアプローチです。
このアプローチには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
投資先企業が継続的に利益を計上できるようなビジネスモデルを持っているとすると、たまに減益の年はあるかもしれませんが、毎年毎年、株主資本が積み上がっていくことになります。その中で株主価値が拡大するダイナミズムを体験することができます。
また、売買を繰り返さないということで、売買手数料も必要ありませんし(最近のネット証券ではその手数料自体もほとんどかからなくなっていますが)、投資信託のように信託報酬として運用費用がかかることもありません。
投資期間は人それぞれですが、投資をした資産がリターンとともにさらに増えていくという複利のメカニズムを、株価上昇を通じて体験するには、ウサギよりもカメのスタイルの投資家のほうが合っているといえます。
『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』では、ほかにも「スクリーニング」の5つのポイントや「バリュエーション」の5つのステップなど、10倍株を手に入れるためのさまざまな手法を紹介しています。「株式投資で失敗したくない、しっかり儲けたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。