2022年3月卒業予定(2021年4月から大学4年生など)の学生の就職活動が本格的に始まっている。コロナ禍の影響で、内定出しのピーク時期が先行き不透明な状況のなか、前稿に続き、いま改めて、“就活”そのものの歴史やルールを理解し、ウィズコロナでの就職活動の“常識”がどう変わっていくのかを考えてみたい。(ダイヤモンド・セレクト「息子・娘を入れたい会社2021」 編集部)

*当記事と前稿の前段となる 新型コロナウイルス感染症拡大で激変する採用市場(1) 新型コロナウイルス感染症拡大で激変する採用市場(2) 22年卒の就活戦線大予測!採用人数は絞られスケジュールは前倒しに 新卒一括採用、世界でも珍しいルールが日本で定着した理由 を合わせてお読みください。
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2021」の巻頭特集記事「コロナ禍で大激震!“就活戦線”のいま、これから」の一部を転載したものです(加筆修正あり)。

就活市場をとりまく状況は親世代と比べて様変わり

「新卒一括採用」の耐用年数が切れてきた背景には、いろいろな理由がある。最も大きな理由は、採用する側である企業をとりまく社会や経済の状況が様変わりしてきたことだ。このことは、特に、就活生の親(保護者)がよく認識しておくべき点だろう。

 経済状況については、親(保護者)世代が就職活動をしていた頃(1987~1991年度)の経済成長率の平均値が5.12%だったのに対し、ここ5年(2015~2019年度)では0.88%にまで低下しており、2020年度は大幅なマイナスになることは確実だ。

 大学進学率については、親(保護者)世代の時代には24.7%(1989年)と、4人に1人という状況だった。これに対して、2018年における大学進学率は53.3%と倍増し、大学生の人数も1学年=約46万人から約63万人へと、5割近くも増加している。大卒を採用する企業もこれにともない、10倍近く増加したといわれており、ある意味、大卒の就活市場は“大衆化”が進んでいる。

 また、この30年で産業構造は大きく変化した。親(保護者)世代が就職活動をしていた頃(1989年頃)は、働いている人の4人に1人(24.2%)は製造業に従事していた。現在、製造業に従事する割合は15.8%(2019年)に低下し、代わりにITや介護などを含むサービス業が、21.8%(89年)から37.7%(19年)へと大幅に増えた。当然、こうした業界に就職する学生数も多くなっている。

 就職活動の方法も様変わりした。親(保護者)世代の頃、業界や企業についての情報は企業紹介の分厚い冊子(紙媒体)をめくって探すのが主流だった。企業へのエントリーも、主に手書きのハガキを使っていた。それがいまはインターネットでさまざまな情報を検索でき、エントリーシートの作成なども、ある程度はコピペで済ませられる。面接までオンラインで行われる時代なのだ。

 さらに、この30年で起こった社会構造の変化で重要なのが「共働き世帯」の増加だ。専業主婦世帯と共働き世帯の数は1997年を境に逆転し、共働き世帯が増加し続けている。2019年には、専業主婦世帯の575万世帯に対し、共働き世帯は1245万世帯と倍以上になった。

 働き方をめぐる家族関係の変化は、特に女子学生にとっては、そのキャリアや就活に対する意識に大きな影響を与えている。

「息子・娘を入れたい会社2021」から転載
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