“コロナショック”で世界中が大混乱・大激変の一年となった2020年――その2020年度(2021年卒)の就活戦線は、一部を除いてほぼ終わりを迎えたが、2022年卒の就活市場はどうなるのか? 本稿では、コロナ禍が21卒生の就職活動に及ぼした影響やそこに至る経緯を振り返りつつ、次年度以降に向けて改めて見えてきた“地殻変動”について考察する。(ダイヤモンド・セレクト「息子・娘を入れたい会社2021」編集部)
*前稿 新型コロナウイルス感染症拡大で激変する採用市場(1)からお読みください。
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2021」の巻頭特集記事「コロナ禍で大激震!“就活戦線”のいま、これから」の一部を転載したものです(加筆修正あり)。
コロナ以前から進んでいた就活開始や内定の早期化
第3の変化は、学生と企業との接触や内定の早期化だ。
これは新型コロナの影響というより、以前からすでに見られた動きである。DHRの調査(図表2)では、内定獲得時期は文系で「3月以前」が23.8%と調査開始以降最多になった。理系は「3月以前」(23.9%)と「4月中」(25.7%)の合計で半数に迫る。
ただ、その後、コロナによる緊急事態宣言の間は低調に推移し、解除直後の6月上旬に再びピークを迎えた。前半と後半の間に大きな落ち込みが生じたのである。
結果的に、調査時点(6月5日~7月13日)で「就職先が決まって就職活動を終了した」学生は前年比で大きく減少(20年卒54.9%→21年卒39.6%)し、「活動を継続している」割合(同41.8%→同58.6%)や、その中でも「まだ見込みが立っていない」割合(同21.5%→同31.7%)が増加した。早期化が進むなか、その流れに乗り遅れた学生の苦戦ぶりがうかがえる。
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