結果を出すリーダーはみな非常であるPhoto:PIXTA

ダイヤモンド・プレミアム(有料会員)ならダイヤモンド社のベストセラーが電子ブックでお読みになれます!月ごとに厳選して提供されるダイヤモンド社の話題の書籍から、ここでは一部を抜粋して無料記事としてお届けします。全体をお読みになりたい方はぜひダイヤモンド・プレミアム(有料会員)にご登録ください!今回は2021年3月提供開始の『結果を出すリーダーはみな非情である 30代から鍛える意思決定力』。自分がトップのつもりで考え行動するリーダーシップの鍛え方をお教えします。

まえがき

「正しい」改革案であれば、みなが賛同してくれるほど、社会は単純ではない。正しい答えを導き出す「知性」や「発想力」とともに、それを実現するための利害調整力、多数派工作力、権力闘争力が必要になる。そうした「実行力」は、どんなに小さい改革や改善であろうと、上層部の大きい改革であろうと不可欠である。

 失われた10年は、いつの間にか20年になり、今の課長クラス前後の若手・ミドル世代で、会社や社会の錆びきったルールを変えていかなくてはと焦燥を感じる人は多いだろう。フル・グローバリゼーションが進行するなかで、守旧派と戦いながら新たなルールを敷くには、その「実行力」が不可欠である。

 本書の目的は、そうした気概ある若手・ミドル世代に、人間のダークで醜い部分を含め、現実経営で「実行力」となるリアルなリーダーシップ、リーダー力の鍛錬・習得の要諦を伝えることだ。言い換えれば、悪のリーダーシップ論であり、リアリズムのリーダーシップ論の大古典、N・マキャベリ著『君主論』の日本企業ミドルマネジメント版である。