米連邦準備制度理事会(FRB)が提供する銀行決済システムで24日、短時間ながらも広範囲で障害が発生したことで、FRBには金融インフラを近代化するよう圧力が高まりそうだ。「デジタルドル」の導入が早まるかもしれない。FRBは「操作上の誤り」により、数時間にわたり金融機関の間で資金の移動ができなくなったと説明。同日中に復旧したが、今回の障害発生により未処理分の決済がたまっている可能性があるとした。政府当局者によると、サイバー攻撃が原因ではないもようだ。ただ、FRBの決済システムで障害が発生するのは驚きではないとの指摘も出ている。ブルッキングス研究所のシニアフェロー(経済研究)、アーロン・クライン氏は、FRBの決済システムは、他国が「動画配信」に移行する中で、「(動画配信の台頭で経営破たんに追い込まれたビデオレンタルチェーン)ブロックバスターの技術に頼るような時代遅れなものだ」と語る。「FRBがシステムを更新するまで、2年余りも待っている余裕は米国にはない」