中東6カ国向けにドレッシングなど発売
アラブ首長国連邦(UAE)を中心に、中東で「Gourmet Story(グルメストーリー)」というブランド名の調味料が売れている。サラダ用ドレッシング、ステーキソース、あるいは刺し身、すし用など6種類の「WASHOKU SAUCE(和食ソース)」ラインアップをそろえ、年間10万本を輸出している。
愛知県に本社を置くグルメストーリーは、2015年からこれらの製品を出荷し始め、現在、UAEをはじめカタール、サウジアラビア、イランなど中東6カ国に販路を広げている。UAEのドバイに拠点を持ち、現在、売上高海外比率は15%を占める。
社長の鈴木信輝(38歳)は「私には世界に通用する万能調味料を作るという目標があり、その最初のステップが中東でした。予想以上に現地で評価してもらっています」と、うれしそうに語った。
イスラム圏での販売のため、当然ながらハラール対応が必要だ。ハラールとは、イスラム教において、摂取を禁じられている豚肉やアルコールなどを除いた合法なものを指す。原材料や加工に豚肉やアルコールなどを使うことはできないのだ。同社では東京都豊島区にある日本イスラーム文化センターにおいて、業界に先駆けてハラール認証を取得した。
和食ソースは梅やゆず、しょうゆ、みそなど和食の要素を取り入れた味付けで、「中東にはインド系の移民も多いので、スパイシーな香辛料も使っている」と鈴木。価格帯は5米ドル(約540円)と15米ドル(約1600円)の2種類だ。低価格帯のステーキや刺し身用ソースが売れ筋という。
「UAEには砂漠の民であるベドウィンが多く、いまもかつての文化を大切にして、涼しいシーズンには砂漠でバーベキューを頻繁に楽しみます。そのときに、ステーキソースを大量に使うのです。また、当社が進出した当時、ドバイの人たちがドレッシングを使う習慣があまりなく、オリーブオイルや塩などで野菜を食べていたので、おいしいドレッシングを提供すれば広まると思いました」(鈴木)