つい先ごろ、ミューチュアルファンド(投資信託)のリターンに過去最大級の急変動が起こった。この変化は、注意を払っていない投資家に誤解を与えかねない。ファンド調査会社モーニングスターによると、2月末時点でミューチュアル・ファンド40本の過去12カ月間の総リターンが100%以上となった。ファクトセットによれば、2月末時点の年間リターンが100%を超えたETF(上場投資信託)は59本だったが、その1カ月後には218本に達した。一体何が起こったのか。何百人ものファンドマネジャーが、天才になる薬を飲み始めたのだろうか。そうではない。もっとも、マーケティング部門はそのまばゆいばかりの手腕を売り込もうと準備に余念がないことだろう。実際は、株式相場が34%急落した2020年序盤の手ひどい損失が、直近12カ月のリターンからちょうど消滅したところなのだ。
株式市場の最新トリック、だまされるな
暦上の偶然、米主要ファンドから昨年の相場下落の影響消え去る
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