経営トップが電撃退任した東芝には、買収問題という難題が残されている。特集『東芝事変』の#4は、この難題に新たに関心を示し始めた外資ファンドの実名と、今後始まる新展開を伝える。 (ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)
「東芝買収」新たに参加する
外資系3ファンドはここだ
東芝の買収問題を巡って、英CVCキャピタル・パートナーズに続き、新たに外資投資ファンド3社が買収などの提案を検討していることが分かった。
提案を検討しているのはいずれも米国プライベート・エクイティ(PE)ファンドで、KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)とベインキャピタル、アポロ・グローバル・マネジメントの3社だ。3ファンドと東芝の取引先金融機関の複数の関係者が明らかにした。
CVCは4月6日に株式公開買い付け(TOB)によって東芝の株式を非公開化する提案をしたが、その際に必要となる資金については、国内メガバンクに調達を打診していなかった。このため、「実現性の面で大いに疑問がある」(東芝の取引先金融機関関係者)という指摘が出ていた。
これに対して新たに名前が挙がった3ファンドは、東芝に提案を出していない現時点からメガバンクと情報を共有しており、資金調達手段を確保する形で検討が進んでいる。
また3ファンドの提案は、CVCとは大きく異なる可能性がある。