東芝で取締役会議長や指名委員会委員長を務める永山治氏が、臨時株主総会後に初めてメディアの書面インタビューに応じた。取締役会が反対決議したアクティビストの株主提案が総会で可決されたことについて、永山氏は「真摯に受け止めている」と述べ、議長としての「責務」や次期取締役会構成への考え方について詳細に語った。特集『暗闘 企業買収の新常識』(全8回)の最終回は、その全文をお届けする。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
アクティビストの株主提案に全会一致で反対
東芝取締役会で行われた「議論」の中身
――3月18日の臨時株主総会で株主提案(エフィッシモ案)が可決された結果について、取締役会議長としてどう受け止めているかをお聞かせください。
株主さまの総体的意思でありますので、今回の結果は議長として真摯に受け止めております。今後、東芝としてするべきは、株主さまの提案に基づいて選任された調査者による調査に誠実に協力していくことに尽きます。
取締役の役割は、「執行に対する監視・監督」と「会社の基本戦略の決定」です。
東芝では、中長期的な株主価値の最大化を目指し、執行の監督をしっかり行い、コーポレートガバナンスの向上に努めるとともに、株主の皆さまとのオープンな対話に継続的に取り組んできています。引き続きガバナンスのさらなる向上に努めていくのが、議長としての責務だと思っています。
――取締役会は株主提案に反対していましたが、そもそもどのような議論を経て反対の結論に至ったのでしょう。