北朝鮮が核ミサイル開発を進めたため、国連安保理の制裁を受け国内経済は疲弊した。これはすべて、金日成王朝の体制を維持するためであり、金王朝は国民の不満を抑えつけるために国民を弾圧し、人権を無視した。

中国が容認してきた
北朝鮮の核ミサイル開発

 そうした中で中国は、北朝鮮を擁護し、国連制裁の効果を薄めてきた。国連の制裁をかいくぐり北朝鮮からの石炭の輸出と、北朝鮮の原油の瀬取りに協力してきた。それによって北朝鮮の金王朝は細々と存続した。そして金王朝は国際社会により深刻な恐怖を与え、北朝鮮住民を不幸のどん底に陥れた。

 中国は、6カ国による北朝鮮の非核化協議に加わってきたが、その交渉過程では北朝鮮を擁護し、その結果北朝鮮は核ミサイル開発を続けることができた。2018年以降、習近平国家主席は金正恩総書記と5回会談し、金総書記を支援する姿勢を示している。

 その中国や北朝鮮に寄り添っているのが文大統領である。その本質を全く理解していないことが、ボアオとNYTインタビューにおける文大統領の発言である。

北朝鮮問題の解決に向けた
日米韓の協力は可能か

 文大統領は今でも朝鮮半島の平和プロセスを通じた対話と交渉によって北朝鮮核問題の解決を図りたい考えである。

 しかし、非核化の意思のない北朝鮮とどのような対話と交渉をするのか。北朝鮮に核開発を放棄させるために何をなすべきか。それを考えれば、韓国は米日と緊密な協力をしていくのが賢明な方策であろう。

 文大統領はバイデン大統領に北朝鮮との対話と交渉を求めている。そのためには日米韓の協力が必要だと考え、文大統領の年頭会見で慰安婦合意が公式合意と認めるなど日本にも一見歩み寄りと思われる姿勢を示している。