身近にアドバイスしてくれる人がいない場合は、インターネット上の本のレビューが参考になる。手厳しい意見もあるが、中には読む順番や作家の面白さが表れている作品を丁寧に解説してくれているものがある。仕込みやサクラも含まれているため、レビューなどの情報を100%鵜呑みにすることはできないが、レビューからは貴重な情報を無料で得られることも多い。投稿内容だけでなく、それを書いたレビュアーの他のレビューや、レビュー件数を参考にしながら、情報を精査して取捨選択するようにしよう。

【必読ポイント!】
◆本物の教養が身につく3ステップ読書術【ジャンル別】
◇ジャンル別に、3ステップで読む

 ここでは、実際に本を紹介しながら、読むべき順番を3ステップに分けて解説する。書籍内では「思想・哲学」「科学・宇宙」「数学」「宗教」「歴史」「文学」の6つのジャンルが扱われているが、本要約では「数学」のみを取り上げる。

 ネットやSNSで情報が氾濫する現代では、おかしなものに騙されてしまわないためにも、論理的にものを考える習慣が必要だ。その意味で、「数学的思考」はとても重要な思考だ。

 そうは言っても、高度なものをいきなり理解することはできないだろう。簡単で読みやすい本から始めて、少しずつステップアップしていく必要がある。

◇ステップ1 まずは文系でも理解できる入門書から

 中学や高校で勉強した複雑な数式や証明問題のイメージから、数学嫌いになってしまった人もいるかもしれない。しかし、数学的なものの見方や考え方は、ビジネスはもちろんのこと、日常生活でも大いに役立つものだ。

 数学の代表的な入門書は『秋山仁のまだまだこんなところにも数学が』(扶桑社文庫)などの秋山仁さんの諸作だ。また、数学が苦手な人にも人気を博しているのは、『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』(西成活裕/著 かんき出版)である。

 これらは、数学的知識がほとんどない人でも、ついていける本だ。数学は授業の中の数字のやりとりだけにとどまらないということが感じられ、数学の世界に親しみが感じられるはずだ。