「半導体争奪戦」で業界盟主は米国から台湾へ、日本企業が迎える勝負の時
半導体争奪戦において台湾積体電路製造(TSMC)はシェア増大傾向にある Photo:123RF

世界的な“半導体戦争”において、ファウンドリー最大手TSMC(台湾)のシェアはさらに拡大しそうだ。半導体の製造装置や部材を生産する日本企業は、さらなる成長を目指す重要な局面を迎えている。(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

台湾TSMCのシェアは拡大傾向
日本の半導体装置・部材企業に追い風

 昨年秋口以降、世界全体で半導体不足が深刻だ。一部の主要企業の間では、必要な半導体を確保するための争奪戦が起きている。専門家の中には、世界的に“半導体戦争”が勃発しているとの見方もある。

 実際に、米国では一部の自動車メーカーが減産を余儀なくされるなど、世界経済に対して無視できない影響が出始めている。米バイデン政権は経済と安全保障体制のために米国内での半導体生産の増加を目指しているが、それは容易ではないだろう。

 これまで、米国企業は半導体の生産よりも、より効率の良い設計・開発を得意としてきた。それが1990年代以降のIT革命と米国経済の成長を支えた。その半面、生産面で米国のIT先端企業はファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)への依存度が高まる結果となった。アップルが開発し、TSMCが生産した最新チップの「M1」が「iPad Pro」や「iMac」に搭載されるのはその象徴だ。

 TSMCは半導体の「後工程」といわれるプロセスにも参入し、顧客企業の要求に、より良く応えようとしている。そのために、TSMCはわが国の半導体関連技術を必要としている。今後、半導体供給者としてのTSMCのシェアは拡大する可能性がある。半導体の製造装置や部材を生産するわが国企業は、さらなる成長を目指す重要な局面を迎えている。