ベイスターズもブロンコスも変わらない、監督やヘッドコーチに求める年俸と契約の考え方Photo:Josh Brown/Shutterstock.com

シーズンの折り返しにかかるこの時期、Bリーグの各チームは来季の構想を練り始める。プロスポーツにおいて、チームの編成上もっとも重要とされるのが監督やヘッドコーチの招聘だが、このポジションには元スター選手や、実績豊富な監督経験者、育成に定評のあるコーチなど、さまざまな人材が候補者として名乗りを上げる。さいたまブロンコスの代表である池田純氏は、この人選から契約の過程を独特の考え方で進めているが、そこには、日本企業が取り組むジョブ型雇用への切り替えに、大きなヒントとなる考え方が潜んでいる。

シーズン半ばにスタートする来季構想

 B3リーグの2020-21シーズンが始まって3カ月余りがたちました。試合はまだまだ続きますが、チームのフロントはシーズン半ばとなるこの時期から来季の構想を具体的に練り始めなければなりません。現時点での成果を踏まえて、来季はどのようなチームにするかを考えるわけですが、選手の陣容を構想するのと同じくらい大切なのが、ヘッドコーチ選びです。

 Bリーグでは、ラグビーなどと同様、チームの指揮官を監督ではなくヘッドコーチと呼びます。私にとってヘッドコーチとの契約は、選手のそれと根本的な原理が異なります。チームは選手とシーズン終了後に契約内容について交渉をしますが、ヘッドコーチとは交渉をしません。こちらからミッションと年俸を提示して、それを受け入れてもらえれば契約するし、そうでなければ別の候補を探すことになります。