ジョー・バイデン米大統領は、厳しい戦いが予想される来年の中間選挙までに、民主党がかろうじて主導権を握る議会で、輸送、チャイルドケア、税制など包括的な改革法案を成立させ、大胆な変革を断行しようとしている。バイデン氏は就任100日の節目を控えた28日夜、上下両院合同会議で演説を行い、新型コロナウイルス救済対策に忙殺された就任初期から、新たな段階へと入った。総額6兆ドル(約650兆円)に上る3つの大型対策を掲げるバイデン氏は、共和党とも連携する考えを強調。ただ、共和党議員は自分たちの提案に対して、バイデン氏が常に前向きに受け入れる姿勢を示していないと批判している。上下両院ともに民主・共和党の勢力がきっ抗している状況を踏まえると、バイデン氏は党内の穏健派と左派の結束を維持する必要がある。中間選挙があと1年半後に迫る中、バイデン氏にとって、自身の政策課題を議会で可決させる切迫性が増している。中間選挙では通常、政権を握る与党が敗北することが多く、そうなれば上下両院で過半数議席を失うことになりかねないためだ。