10年前にユーロ圏が公的債務危機に見舞われたとき、ドイツが救済や借り入れを巡ってかたくなな態度を取った結果、危機は長引いた。こうしたドイツの姿勢は、域内の景気回復が米国に後れを取る一因にもなった。欧州は現在、再び危機に直面し、景気回復が遅れており、今回も財政刺激策の規模が問題になっている。しかしドイツはかつてのような邪魔者ではない。緑の党が台頭したことで、ドイツも欧州も積極的な刺激策を行う米国モデルにさらに近づく可能性がある。2005年からドイツを率いる保守派のアンゲラ・メルケル首相は既に部分的ながら、借り入れに対する反対姿勢を和らげた。同氏は今年9月の総選挙には出馬しない方針だ。世論調査では同氏が所属するキリスト教民主同盟(CDU)中心の党派がトップだが、緑の党は僅差で2位につけている。緑の党は次期連立政権のパートナー、もしくは第1党になる可能性さえある。