――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  企業は長年、労働者を見つけるのがいかに大変かを繰り返し訴え、まるでおおかみ少年のようになっている。だが現在、おおかみは本当にやって来たのかもしれない。  おおかみは賃上げを求めている。  米労働省が11日発表した3月の雇用動態調査では、求人件数が810万件と過去最大となった。求人率(求人数を雇用者数と求人数の合計で割った比率)は前月の5%から5.3%に押し上げられた。記録が残るこの20年間で、新型コロナウイルス流行前は2018年の4.8%が最高だった。  足元の求人率はもっと高い。