企業は長年、労働者を見つけるのがいかに大変かを繰り返し訴え、まるでおおかみ少年のようになっている。だが現在、おおかみは本当にやって来たのかもしれない。おおかみは賃上げを求めている。米労働省が11日発表した3月の雇用動態調査では、求人件数が810万件と過去最大となった。求人率(求人数を雇用者数と求人数の合計で割った比率)は前月の5%から5.3%に押し上げられた。記録が残るこの20年間で、新型コロナウイルス流行前は2018年の4.8%が最高だった。足元の求人率はもっと高い。求人検索サイト「Indeed(インディード)」のデータでは、5月7日時点の求人件数は2020年2月1日の水準を23%(季節調整済み)上回っている。コロナ流行前の水準を16%上回っていた3月末時点よりも増加率が伸びている。