英アストラゼネカと米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した新型コロナウイルスワクチンでごくまれに深刻な血栓が生じる問題について、原因解明に向けた研究が急ピッチで進められている。原因が特定されれば、ワクチンによるリスクを見極め、安全に接種できるよう調整することが可能になると期待されている。米国やカナダ・オンタリオ州、ノルウェーやデンマークなど複数の欧州諸国は、これらのワクチンの配布を一時見合わせているか、使用を完全に停止した。「(新型)コロナウイルスは当面なくならず、ワクチンも季節的な接種が必要になる公算が大きいため、原因究明はこれら次世代ワクチンにとって最も重要だ」。血栓について研究する科学者グループを率いる蘭エラスムス大学のエリック・バン・ゴープ教授はこう指摘する。