この1年、非常に活況だった米国の新規株式公開(IPO)市場に変調の兆しが出ている。足元では、投資家のグロース株離れが鮮明だ。新規上場した企業の多くは、上場直後こそ株価が跳ね上がったものの、最近ではIPO価格を下回って推移している。S&P500種指数が先週初めから3日続落し、ここ約7カ月で最大となる下げを演じて以降、少なくも3社がIPOを延期した。一部の投資家や銀行関係者は、今週が転機になりそうだと話している。市場が落ち着きを取り戻すとともに、スウェーデンのオートミルクメーカー、オートリー・グループ、およびソフトウエア会社スクエアスペースの上場がうまく行けば、IPO市場への信頼が回復すると予想されている。半面、ボラティリティーが今後も続き、これらIPO銘柄がさえないデビューとなる、もしくは延期される事態となれば、IPO市場には本格的に急ブレーキがかかる可能性が高い。
転機迎える米IPO市場、今週が正念場に
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