内燃機関はもう命運が尽きたわけではないかもしれない。ジェット機や船舶、自動車などの幅広い業界で、従来型エンジンを見直したり別方式に転換したりすることなく、環境性能を高める方法として、合成燃料への関心が高まっている。「e-fuel(e燃料)」と呼ばれるこうした合成燃料は、再生可能なエネルギー源で生成した水素と、多くは産業プロセスから回収した二酸化炭素(CO2)を混合することで作り出され、ガソリン、ディーゼル、ケロシン(灯油)といった燃料の「カーボンニュートラル(排出量実質ゼロ)」版とみなされる。航空会社や運輸業者、石油会社の一部では、すでにe燃料を生産する試験的プロジェクトや、e燃料と従来型燃料を混合する実験が始まっている。自動車メーカーもこの技術に投資している。e燃料が実用化されれば、電気自動車(EV)やハイブリッド車と並ぶクリーンな輸送手段として、今までの乗用車が路上を走り続ける可能性があるとの見方もある。
グリーンな新燃料e-fuel、内燃機関の救世主なるか
e燃料と従来型燃料の混合実験始まる、コスト面に課題も
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