物件検索サイトでの条件設定の仕方

 では、価格と資産性(物件価値の値下がりしにくさ)に影響を与える要因を意識して、物件検索サイトでどのように探すべきかをお教えしよう。

 1.土地の所有権

 まず一番重要なのは、土地の所有権だ。先ほど見たように、建物価格の割合は低く、首都圏の平均でも27%ほどにすぎない。物件の9割以上が所有権であるが、借地権の場合は価格が安いことが大前提になるものの、これが長期で占有するため意外と安くない。

 だが所有権とあまり変わらない価格なら、資産価値が暴落するので気を付けよう。戸建ての建物価値は20年ほどでゼロになるが、土地は取引することができるので、土地の見極めはとても重要になる。だからこそ、戸建てでは「借地権物件」はまず除外しなければならない。なお、本文では検索条件の項目を「」とした。

 2.土地の価値

 同じ敷地で、同じ土地面積と建物面積でも、価格は違ってくる。例えば、土地の形と道路への接し方は土地の価値を変える。どれも5~10%の違いを生むのが以下の項目だ。

・道路に接する向きは北より南がいい
・道路は私道より公道がいい
・道路に接する長さは広いに越したことはない
・接する道路は6mを標準に、これより広い方がいい
・角地などで2方向が道路に接している方がいい
・敷地は整形地(長方形)がいい

 こうした項目は、物件検索サイトでは「角地」「南道路」「整形地」などの項目で出てくるので、土地を売ることを前提とした視点で判断してほしい。

 土地については、よく質問を受けるが、資産価値にあまり変化がない項目として、以下があるので、理由も付してみた。

Q:同一現場で敷地は広い方がいいか?

A:敷地面積は建物面積(約100平方メートル)を基準に割られているので、広ければいいわけではない

Q:低層住宅地の方がいいか?

A:上記質問と同じで、建物をどれだけ建てられるかで土地の価値が決まるので、低層だからいいとはいえない。これは、どんな周辺環境を望むかという趣味の問題で、資産性には特段の影響がない。