持ち家戸建てに対するニーズから分かる建物価値

 3.建物の価値

 次に重要なのが、「長期優良住宅」と「住宅性能評価書」だ。以下は、新築分譲戸建てを内覧したことがある方500人にアンケートした結果だ。

 1位は地震などに対する強さ87.0%で、日本は地震大国であること、近年の大地震の記憶が新しいことなどから、トップとなることはうなずける。

 2位は柱や土台などの耐久性で86.8%の僅差、これは「長く住みたいニーズ」と言ってもいいだろう。3位は火災に対する安全性で83.8%。戸建てのほとんどが木造なので、火事のリスクには敏感だ。

 実はこの3つの項目は、これに対応する国の評価基準がある。1位は耐震等級、2位は劣化等級、3位は耐火等級であり、住宅性能表示制度と長期優良住宅において同じ基準で評価される項目の一つだ。

 住宅性能評価書を取った物件の95.8%は耐震等級の最高等級である等級3を取得している。同様に劣化等級は、最高等級である等級3が97.8%、耐火等級は4段階のうち等級2(外壁などが火熱を遮る時間が20分相当以上)が90.5%と大半を占める。

 つまり、住宅性能評価書付き住宅であれば、この三大ニーズをクリアしている可能性が極めて高い。他に基準らしいものがないので、こうした第三者評価が唯一の安心材料ということになるのだ。

 建物価値の高さは、住宅ローンの金利に影響してくる。家を買う際に重要な住宅ローンだ。「フラット35・S適合証明書あり」というこだわり検索項目があったりするが、これは、金利が一定期間0.25%下がる。金利の0.25%は、月の返済額にして4%ほど違う。月10万円の返済なら4000円の違いだし、10年間なら50万円近くの差になるので、資金繰りに与える影響は意外に大きい。