そこで、支出額を減らすケースも考えてみましょう。

 前述の通り、Uさんは年金の受け取りが開始となる65歳まで18年間あります。この18年間を前後に分けて考えてみましょう。

 前半の9年間は先ほど試算した支出額である月21万8750円でいくとして、以後は約25%減の16万4065円とします。一方で、Uさんの年間収入は15万円×12カ月=180万円です。

 前半9年間の年間支出は21万8750円×12カ月=262万5000円です。そのため、赤字額は262万5000円−180万円=年82万5000円です。

 次に後半9年間の年間支出は16万4065円×12カ月=196万8780円です。そのため、赤字額は196万8780円−180万円=年16万8780円となります。

 すると、65歳までの18年間で取り崩す貯蓄額の合計は(82万5000円×前半9年間)+(16万8780円×後半9年間)=894万4020円 になります。

 つまり、65歳時点の貯蓄額は1950万円−894万4020円=1055万5980円 になります。

 65歳以降の支出額は、「約25%減」の月16万4065円で変わらないとすれば、収入が公的年金の月10万円なので毎月の赤字額は16万4065円−10万円=6万4065円。年間では76万8780円の赤字となります。

 つまり、生活費を25%ほど減額すれば1055万5980円÷76万8780円=13.7年。78歳強まで資産寿命を延ばすことが可能になります。

 ただ、78歳までしか資産が持たないのでは不安ですよね。支出のコンパクト化だけでは残念ながら厳しいといわざるを得ないので、やはり収入を増やすことを考えるべきでしょう。